2006-06-01から1ヶ月間の記事一覧

宝くじの異常、幅3000kmのボウリング、世界で最も有利なギャンブル

宝くじは極めて不平等な税金です。にもかかわらず、なぜ人々は宝くじを買うのでしょうか。実は、宝くじは世界で最も有利なギャンブルであるとも言えるのです。今日は、宝くじをめぐるあれこれについて考えます。 満腹しきっているときには、私たちは食物に対…

これは今日のタイトルだ、表現と内容、メタマジック・ゲーム

例えば、この文のように、自分自身に言及している文を「自己言及文」といいます。「この文は嘘だ」などは矛盾した文として有名です。では、「嘘」という言葉を使わずに矛盾した自己言及文をつくれるでしょうか? 今日は、「言葉」はその意味内容以外のものを…

お嬢様言葉とは何か、究極の謙譲語、お嬢様は乱れていた?

「マリみて」などですっかり普及した「お嬢様言葉」ですが、いったいその本質をどれだけの人が理解しているのでしょうか? また、ある有名作家が「お嬢様言葉」を「異様なる言葉づかい」と叩いていたことを知っている人は少ないでしょう。今日は、お嬢様言葉…

なんで白鳥があひるよりいいんだよ、働かないアリ、カメになりたい

「みにくいあひるの子」や「アリとキリギリス」、「ウサギとカメ」などの物語には、動物のキャラクターに対する強烈な偏見があります。今日は、ある物語を信じたいと思う無意識の願望について考えます。 その日、口にするものに不自由しながら、不自由であっ…

雲のごとく咲け、日本初のさくらタンハァハァ、桜咲き栄え幸ふ盛り酒

万葉集の頃は、桜より梅が人気でありました。では、桜はどのようにながめられていたのでしょうか。今日は、万葉集に掲載された桜の歌と、桜の語源から、日本人の「桜」観について考えます。 桜というと、決まって思い出すことがある。柳田国男翁のお供をして…

現在形で未来を表す、生まれて最初に贈られるもの、言葉は「祈り」

日本語には、「オレは残る」などの、動詞の終止形を使うことで強い意志を表す表現方法があります。なぜこんな言い方ができるのでしょうか。今日は、言葉にこめられた「祈り」について考えます。 「オレは残る」わたし意地になって言い張りました。 アキラが…

アローの不可能性定理、独裁者エルメス、正しい選択は存在しない

さまざまな候補の中から一つのものを選ぶとき、合理的な選び方は存在するのでしょうか? 今日は、「アローの不可能性定理」という脅威の定理をもとに、人生で何事かを選ぶときに、最も重要なことは何なのかについて考えます。 鼠(ねずみ)の、女(むすめ)…

あなたの一票は社会を変えない、なぜ選挙に行くのか、澄みゆく心

「あなたの一票が社会を変える」と言われますが、現実にそんなことはまずありません。それでもなお選挙に行く理由はあるのでしょうか? 今日は、外界にまったく影響を与えない行動を取る意味がどこにあるのかを考えます。 心の中の世界を凝視するとき、人は…

清水の舞台、世界で最初に空を飛んだ人間、飛べダンボ!

「清水の舞台から飛び降りる」とは、よく聞く慣用表現ですが、12世紀頃の書物に、実際に飛び降りた人の話が出てきます。しかも、その人は、鳥のように舞い降りたのだとか。今日は、清水の舞台から飛ぶということについてとりとめもなく考えます。 これも今は…

素顔同盟、理性にまつろわぬもの、生とは無数の誤解

「表情」とは「感情を表すもの」であるはずですが、しかし本当にそうなのでしょうか。顔文字や「(笑)」は何を表現しているのでしょう。今日は、「表情」が人間にとってもつ意味について考えます。 その朝も目を覚ますと仮面をつけ、鏡に向かった。にせもの…

目には青葉、12個の「ココナッツの実」、若さゆえの過ちというものを

「五月雨や 大河を前に 家二軒」の「を」、「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の「は」など、日本語の助詞の働きは実に繊細です。一方で、日本語と検索エンジンは相性がとても悪かったりします。今日は、助詞の用法から日本語の面白さについて考えます。 さみ…

フルスピードでのろのろと、年速1kmの言葉、カタツムリの速度で

かたつむりの速度は時速何メートルでしょう? 今日は、ガンジーの「善(よ)きことはカタツムリの速度で動く」という言葉をヒントに、言葉や文化の伝播速度をかたつむりと比較することで、この世界をフルスピードでのろのろと進む「善きもの」について考えま…

「完全食品」はあるか、人間の不安と願い、おまじないの力

それさえ食べていれば生きていける食品、「完全食品」というものはあるんでしょうか? 今日は「完全食品」を探求する中で、結局何食ってもいいんじゃね? という話、そして人間の心の力について考えます。 殻の強い、黄味の色のいい卵を生ませる工夫はいろい…

流れ寄る椰子の実一つ、漂着する神様、「不具」は「福」なり

島崎藤村の「椰子の実」は有名です。日本にはどんな漂着物が流れ着き、それらはどのように受け入れてきたのでしょうか。今日は、ソトの世界からやってくるものが私たちを豊かにしてくれる可能性について考えます。 椰子(やし)の実 島崎藤村名も知らぬ遠き…

あなたに価値はありますか?、人間の不完全性定理、振り向かないこと

「若者は若さの価値に気づいていない」とはよく言われるところです。しかし、それはいったいなぜなんでしょうか? 今日は、人間が自分の価値に気づくことが、はたして可能なのかについて考えます。 新しい刃 安西均むすこが たどたどしい手つきで新しいカミ…

1=0.9999999999…、はじめに言葉ありき、世界を拡げるただ一つの道

「1=0.9999999999…」という式が納得できない、という人は多いようです。今日は、この式の難しさの本質はどこにあるのか? そして、この式に人が感じる納得のいかなさは、いったいどこから生じてくるのかについて考えます。 世の中にはあたりまえだと思ってい…

日本人の語彙量は減っているか、語彙推定テスト、ハリネズミのハリ

言葉の量、語彙力の低下がつとにささやかれていますが、実際のところ、日本人の語彙量はどうなっているのでしょうか。今日は、ネットの資料をもとに語彙量について、とりとめなく考えます。 語彙が多いとか少ないとかいうけれど、人間はどのくらいの言葉を使…

洞ヶ峠・桶狭間山・本能寺、事実と物語の座標軸、歴史をつくる

桶狭間は本当は山だった!? 戦国時代の有名エピソードには、「洞ヶ峠の順慶」や「敵は本能寺にあり」など、つくり話がけっこうあります。今日は、歴史というものに相対するとき、我々はどんな態度をとるべきなのかを考えます。 「じつは私は、順慶のことを…

鑑賞は創造である、フィンセント・ファン・ゴッホ、植えられる

芸術というものの「価値」はどこにあるのでしょうか。作品それ自体に「価値」があるのだとしたら、ゴッホが生前あれほど苦しまなければならなかったのはなぜでしょうか。今日は、鑑賞という行為を切り口に、芸術とは何かについて考えます。 ゴッホの絵は、彼…

強い人間原理、究極の質問と究極の答え、だから生きてください

宇宙はなぜこんなに美しいのでしょうか。宇宙はどうして存在しているのでしょうか。そして、私たちはなぜ、ここにこうして存在しているのでしょうか。今日は、強い人間原理を濫用して、これらの疑問について考えます。 あしの葉の上にいるかえるは、いぜんと…

しっかり死んでください、空っぽの指示語、光の言葉

大江健三郎さんの長男、大江光さんは、おばあちゃんに「しっかり死んでください」と言ったそうです。この不思議な言葉は、いったいどんな意味をもつのでしょう。今日は、「しっかり」の語源を妄想することで、この言葉の放つ光について考えます。 もうずいぶ…

シュレーディンガーの縄文杉、3つの力学、構造が色めく瞬間

縄文杉を見にくる観光客によって縄文杉は傷つけられます。しかし、それでも縄文杉を見たいのだとしたら……。今日は、我々が世界を抽象化した理論として理解するとき、本当の人間性がその理論と理論の間隙に現れることについて考えます。 「縄文杉を見に行く奴…

みどりの守り神、雲は行き水は流れる、めぐる惑星

人類が絶滅したあと、街はどうなると思いますか? 自然に「還る」のでしょうか? それとも、自然に「破壊される」のでしょうか? 今日は、日本と西欧の自然観を比較し、「自然」という言葉の意味の変遷を見ることで、ヒトのいない世界の姿について考えます。…

視線の力の物語、(・・)、真実を見抜く目

宇治拾遺物語に、にらみつけることで物の怪の変身を暴く話が出てきます。また、世界には邪視信仰が多くあります。一方で、視線のもつポジティブなパワーも注目されています。今日は、「視線の力」についてのネタをぶちまけ、らちもなく考えます。 昔、延喜の…

どの辺からが天であるか、無限と空間、道はつながっている

「青い空」とは言えるのに、「青い天」と言えないのは、なぜでしょう。「天気」と「空気」の意味の違いはどこから来るのでしょう。今日は、「天」と「空」の意味の違いと、高見順の詩を検証することで、神秘へと至る道について考えます。 どの辺からが天であ…

また逢ひ申すべし、3歳の押しかけ女房、生まれ変わられ

生まれ変わり、輪廻転生という言葉はだれでも聞いたことがあるでしょう。今日は、いくつかの生まれ変わりの具体的を例を見ることで、生まれ変わりという行為の見方を反転させます。 神田明神前よりお茶の水へ出るところに船宿ありしが、文化三年六歳になりし…

無限級数を追う、人生常に道半ば、禍福糾える縄の如くあれ

なんだか、毎日、同じことをくり返している。うまくいくときもあるけど、同じぐらい失敗もある。実はそういう感覚は、人生で何ごとかをなす、必要・十分条件なのかもしれません。今日は、高村光太郎「刃物を研ぐ人」の「無限級数」という言葉を導火線に、生…

蛙飛び込む水の音、コンパイラコンパイラ、世界を拓く力

「古池や蛙飛び込む水の音」は、なぜ革新的な俳句なのでしょうか。芸術作品の価値とは、どこにあるのでしょうか。今日は、解釈という行為を、計算機におけるプログラム解釈ソフト「コンパイラ」を比喩としてとらえることで、教育が真に目指すべきものを考え…

大理石の中の女神、二念をつがない、見るともなく全体を見る

夏目漱石『夢十夜』の「第六夜」に、運慶は、仁王像をつくっているのではなく、眉や鼻が木の中に埋まっているのを掘り出しているだけだ、という有名な言葉が登場します。今日は、のぼせあがった我々の脳を冷ましてくれる、この言葉の力について考えます。 「…

はてブ注目記事と逆接、夜の大逆接、逆接は論理的ではない

「しかし」「だが」など逆接の接続詞は、論理的な文章に多く出現するとされます。では、はてなの一般記事と比べて「注目記事」では、逆接が出現する確率は変化するのでしょうか? 今日は、はてなにおける逆接の出現率を実際に数え、その意外に結果についてと…